数量化1類 : Quantification Method of the First Type
概要
数量化1類は、説明変数に名義尺度からなる質的データを用いた重回帰分析といえます。
分析例ファイルのダウンロード
数量化1類を使用する際のデータの形式やダイアログの指定方法、出力結果などを以下のExcelファイルからご確認いただけます。ダウンロードしてご参照ください。この分析例ファイルは、製品をご購入された場合にも自動でインストールされます。
なお、エクセル統計の無料体験版では、分析例ファイルのデータを実際に分析してみることができます。
処理対象データ
データベース形式
データサイズ範囲 | 処理対象データ | |||||
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行数 | 列数 | 総カテゴリー数 | 数値 | 文字列 | 空白 | |
目的変数 | 3~10,000行 | 1列 | - | ○ | 欠 | 欠 |
説明変数 | 3~10,000行 | 1~50列 | 2~100カテゴリー | ○ | ○ | 欠 |
※:○…処理可、×…処理不可、欠…欠損値として除く
設定項目
Excelの[エクセル統計]タブから、[多変量解析]→[数量化Ⅰ類]を選択すると以下のダイアログが表示されます。
「変数」タブ
- データ入力範囲 必須
- データ入力範囲の変更を行う場合、[変更]ボタンを選択します。データ入力範囲のダイアログが表示されるので、データ入力範囲を設定して [戻る] ボタンを選択します。なお、データ入力範囲の先頭行は変数名となります。
- 目的変数 必須
- [変数リスト] から [目的変数] とする変数を設定します。
- 説明変数 必須
- [変数リスト] から [説明変数] とする変数を設定します。
目的変数の値が「空白」や「文字列」のケースや説明変数に「空白」のあるケースは分析対象から除かれます。目的変数と説明変数が全て揃っているケースが分析対象となります。
「オプション」タブ
- 予測値を出力する
- 分析により得られたカテゴリースコアを説明変数にあてはめた予測値や観測値と予測値との残差を出力する場合、このチェックボックスをオンにします。初期設定はオフです。
出力内容
ケースの要約 | 有効ケース、目的変数のみ不明、説明変数のみ不明、ともに不明、全体の「サンプルサイズ」と「割合」 |
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基本統計量 | 各アイテムのカテゴリーごとの「度数」と目的変数の「平均値」、「不偏分散」、「標準偏差」 |
クロス集計表 | 各アイテムの各カテゴリー間のクロス集計表 |
カテゴリースコア | 各アイテム内の各カテゴリーのカテゴリースコアと定数項の値が出力されます。カテゴリースコアは各カテゴリーの目的変数に対する重みを表します。 |
レンジ | 各アイテム内でのカテゴリースコアの最小値と最大値との差が出力されます。各アイテムの目的変数に対する影響力を表します。 |
【グラフ】レンジ | 各アイテムのレンジの大きさを表す横棒グラフ |
目的変数との相関係数 | 各アイテムと目的変数との「単相関係数」と「偏相関係数」が出力されます。各アイテムの目的変数に対する影響力を表します。 |
精度 | 「重相関係数」と「重相関係数の2乗」の値が出力されます。モデルのあてはまりの精度を表します。 |
アイテム間の単相関係数 | アイテム間の独立性の指標 |
【グラフ】観測値×予測値※ | X軸に観測値、Y軸に予測値をとった散布図 |
【グラフ】残差プロット※ | 各ケースの残差(観測値と予測値の差)をプロットしたグラフ |
予測値※ | 目的変数の「観測値」と観測値から算出した「予測値」、及び「残差」 |
※:ダイアログで[予測値を出力する]にチェックを入れた場合に出力します。



参考文献
- 木下 栄蔵, "わかりやすい数学モデルによる多変量解析入門", 啓学出版, 1987